京都新聞 2007年7月25日に掲載されました。

弱視児童に拡大地図帳
京の団体と教科書会社 全国向け初の出版


 弱視の子どものために、地図や文字を拡大した地図帳が来年3月、教科書として初めて出版される。京都のボランティア団体「点友会」(事務局・京都府亀岡市)と教科書出版会社「帝国書院」(東京都千代田区)が共同で取り組んでおり、「弱視児童すべてに見やすい地図帳を届けたい」との願いが結実する。
 小学4−6年向けの地図帳で、上巻(日本地図)と下巻(世界地図)合わせて550ページ(B5判、カラー)。地図を再編集して大きくし、文字も2倍以上にする。ページ数は通常の地図帳の7冊分余になるという。
 来年度に4年生になる全国すべての弱視児童に行き渡るよう150セットをひとまず発行する。

 点友会はこれまで、文字が大きい拡大教科書づくりの一環として拡大地図帳も製作し、本年度分は7人の弱視児童に届けた。通常の地図帳に掲載された地図や説明文を拡大し、切り張りを重ねて再編集。製本に至る過程のすべてを半年がかりで手がけていた。
 しかし作業量が膨大な上、地図の修正は著作権に触れる。精密な拡大地図帳を大量につくるのは難しいことから、版元の同社に出版を打診。手づくりの拡大地図帳を見た同社が協力を決めた。今後、点友会の原案を基に、同社が原版を製作する。費用は両者で分担する。

説明文や地名を拡大した地図(右手前)とイラスト(中央奥)。教科書として出版される拡大地図帳には、こうした工夫が施される。左手前は通常の地図帳(亀岡市東つつじケ丘)

 点友会の石津利幸会長(65)=亀岡市東つつじケ丘=は「地図帳はルーペで拡大しても位置関係が分からず、弱視児童にとって最も使いにくい教科書。出版で地理好きの子どもが増えてほしい」と話している。地図帳の予約を全国から受け付け中。申し込み、問い合わせは石津会長TEL0771(22)5274。